てんびんに翔ける

建築のコストや時事ネタなどゆるく書いていきます

設計施工一括発注方式と分離方式

建物を建てる場合、大きく分けて2つの発注方法があります。それが設計施工一括方式(デザインビルド)と設計施工分離方式です。

欧米では設計は設計事務所が、施工はゼネコンや工務店が請け負う事が通常ですが、日本では設計と施工を一括してゼネコンや工務店が請け負うことが多々あります。日本は昔から大工の棟梁が設計して建てるという歴史があって、その名残が設計施工一括方式になっていると考えられています。
まぁ、前置きはこんなところで…。

では、発注者としてどちらが良いのかというと一概には言えず、様々な観点から考える事が必要になります。

発注者から見たメリットとデメリットの一例を挙げてみます。

設計施工一括発注方式のメリット
・予算に大きなズレが生じにくい。
・設計から施工までシームレスに流れるため全体工期が短く済む。
・ゼネコンや工務店の持つ独自の技術や設計を活かせる。
・設計費が安く済む傾向。

デメリット
・監理や品質を第三者の目線で見ることができない。
・他社から見積りを徴収できず、工事費の妥当性を知ることができない
・悪い意味で施工者側に偏った設計になる可能性がある。

新国立競技場のドタバタはまだ記憶に新しいと思いますが、最初の段階は建築家のみで決めてしまった為、予算と工期が折り合わずに最終的にはデザインビルドに変更となったという経緯を思い出して貰えると良いかも知れません。

デザインビルドにも色々あって、設計事務所主導のもの、設計事務所と施工者のコラボレートなどのパターンもあります。新国立競技場はコラボレートのパターンですね。

家、建物を建てる計画がある場合考えてみてください。

マキネッタ

実はコーヒーが好きでよく飲みます。

ウン十年前にイタリアを少しばかり旅行したことがあるんですが、それ以来妙にイタリア贔屓になってしまい、コーヒーの抽出方法もイタリア風なんです(笑

イタリアでは自宅にマキネッタというコーヒー抽出器をほぼ置いてあるそうです。大阪でいうところのたこ焼き器みたいなものでしょうか。

そういう訳で、僕も自宅ではマキネッタで淹れています。
マキネッタとはこういうものです。

 

ビアレッティ 直火式 モカエキスプレス 2カップ

ビアレッティ 直火式 モカエキスプレス 2カップ

 

 

マキネッタで使うコーヒー豆は深煎りで、極細挽きなので量は少ないんですが、とても濃く抽出されるのが特徴です。これに慣れてしまうとクセになるんですよね。
また、ミルクとの相性がとても良いのも特徴です。
フレーバーなどにも合うし、リキュールを垂らすなど飲み方も色々あって楽しいですよ。

 

僕は一人で飲むことが多いけど、水の量を調整すれば、濃いのが苦手な人にはアメリカーノ(薄め)にも出来るので3カップ用がおすすめです。

あと、アルミが怖いという人にはステンレス用があるのでこちらを。

 

 かくいう僕も使っているのはステンレス製です。

 

相見積りについて

相見積りを取ることは、見積り価格の妥当性を確認する手段のひとつだということを前回書きましたが、相見積りを取るにはそのタイミングが大事になります。

建築の見積りというのは、大変手間がかかります。ハウスメーカーであればシステムで処理していそうですが、大抵の工務店やゼネコンでは数日~数週間かかって見積りをします。
そのため、いわゆる当て馬や噛ませ犬(本命がいて、仕事をさせるつもりがないのに見積りをさせること)だと思われる場合は大抵断ります。

相見積りを依頼するタイミングですが、設計を工務店に施工と合せて(設計施工一括方式)依頼するつもりであれば、基本設計の段階で提案も含めて、相見積りを取るべきでしょう。
設計を設計事務所に発注し、施工と分ける場合(設計施工分離方式)は、詳細設計完了後に相見積りを取ります。この場合は設計事務所が発注支援を行ってくれるので施主側としては特別問題は無いはずです。

また、建築条件付の土地や建売住宅を購入した場合は相見積りを取ることはできませんし、まともな価格交渉はほぼ出来ないと思います。

 

次回は設計施工一括方式と、設計施工分離方式のメリットとデメリットを挙げてみたいと思います。

見積り価格の妥当性

これから家を建てようあるいはリフォームをしたいと考えている人にとって悩みのひとつに、見積りは妥当なの?と思う事があるのではないでしょうか。


建築業界にいる私もお客様に対して価格の妥当性をいかに理解して貰えるかを考えているんですが、ごく少数の悪質業者などの存在も価格を不透明なイメージにさせてしまっているのかも知れません。

それはそれとして、同じ工事であっても価格がバラバラになるのはなぜなんでしょうか。そこのところをざくっと説明すると、原因のひとつは各社で単価が異なるためなんです。
例えば、「ビニールクロス貼り」という工事があり、仕様も同じだとしても単価が異なるということも普通にあるハナシです。
単価は主に材料と労務費で構成されていますが、材料の仕入れ、労務費の高い安いなど各社特徴があるからなんですね。
その中で、内容をさらに難しくさせるのが労務費です。
安価なら良いと言えない理由がここにあります。モノが同じだとしても、職人の技能が異なることもままあります。良い職人さんは良い金額を支払ってくれる工務店と取引しているものですし。しかし、消費者側でそれを判断するのは大変難しいですよね。このあたりが「価格妥当性」を難しくしているのでしょう。

そのせいもあって、「当社は割高かも知れませんが、仕事はていねいだとの評判を頂いています。クレームも少ないのも自慢なんですよ。」という説明も中々理解して貰えないジレンマが業者側にはあります。

ここらへんが工業製品とは違って、一品物であるがゆえの消費者と業者、お互いの悩みどころといったところでしょうか。

消費者で「価格の妥当性」を計るにあたって、簡単に出来るアドバイスとしては、「相見積りを取る」ということでしょうかね。

しかし、この「相見積りを取る」ということも一長一短がありますので次回はそのことについて書いてみますね。