てんびんに翔ける

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設計施工一括発注方式と分離方式

建物を建てる場合、大きく分けて2つの発注方法があります。それが設計施工一括方式(デザインビルド)と設計施工分離方式です。

欧米では設計は設計事務所が、施工はゼネコンや工務店が請け負う事が通常ですが、日本では設計と施工を一括してゼネコンや工務店が請け負うことが多々あります。日本は昔から大工の棟梁が設計して建てるという歴史があって、その名残が設計施工一括方式になっていると考えられています。
まぁ、前置きはこんなところで…。

では、発注者としてどちらが良いのかというと一概には言えず、様々な観点から考える事が必要になります。

発注者から見たメリットとデメリットの一例を挙げてみます。

設計施工一括発注方式のメリット
・予算に大きなズレが生じにくい。
・設計から施工までシームレスに流れるため全体工期が短く済む。
・ゼネコンや工務店の持つ独自の技術や設計を活かせる。
・設計費が安く済む傾向。

デメリット
・監理や品質を第三者の目線で見ることができない。
・他社から見積りを徴収できず、工事費の妥当性を知ることができない
・悪い意味で施工者側に偏った設計になる可能性がある。

新国立競技場のドタバタはまだ記憶に新しいと思いますが、最初の段階は建築家のみで決めてしまった為、予算と工期が折り合わずに最終的にはデザインビルドに変更となったという経緯を思い出して貰えると良いかも知れません。

デザインビルドにも色々あって、設計事務所主導のもの、設計事務所と施工者のコラボレートなどのパターンもあります。新国立競技場はコラボレートのパターンですね。

家、建物を建てる計画がある場合考えてみてください。